職場環境をより良いものへ

● 今ある職場をより良い環境へ

看護師がずっと安心して働き続けられる職場づくりとして、ワークライフバランスを整えるための取り組みに積極的に挑む病院や自治体が増えてきました。
ワークライフバランスを整えるためには、労働条件や労働環境の見直しと改善が必須です。職場アンケート等を実施し、意識調査や現状把握をし、改善点を探し出し、より良い職場づくりを目指して地域の病院が一斉に取り組んでいる所もあります。
意識改革のために定期的にワークショップを企画しているところもあります。それぞれの病院が改善を目指すだけでなく、地域全体の取り組みとして励むことで、優秀な人材の流出をストップすることができます。

● 働き続けることができる職場づくりへ

【ワークライフバランス支援制度の周知】

子育てや介護を両立させながら、キャリアを中断させることなく働き続けることができる仕組みとして、ワークライフバランス支援制度を設けています。例えば短時間勤務制やフレックスタイム制、子供などの発熱に伴う看護休暇、家族に介護者が出た場合の介護休暇、補助金等の様々な制度があります。
これらの支援制度は、「自ら請求しないと利用できない」場合もあります。そのため支援制度を知らず利用していない看護師もまだいますので、そういった周知徹底を図る取り組みがなされています。

【超過勤務時間の削減】

上司がまだ頑張っているのに、自分だけ残業しないで買えるのは心苦しい…といった理由から、ずるずると残業時間が伸びたりしています。
日本人は労働時間が長く、残業時間も非常に多いです。ところが仕事の効率から行くと、アメリカを100%としたときに北欧諸国では140%前後、日本は70%ほどしかありません。だらだらと続く残業のためもあります。
プライベートの時間をきちんととり、家族と過ごす時間を充実させ、しっかりと休息をとることで心の耐性も回復します。
「定時ですっきりと帰ることができる職場の風土づくり」をしようと、チームリーダーを決め、その日の負担が大きいところに効率的に人員を配置し、時間内に終わり層がない時はみんなで分担し合うなどの協力体制、人員がほしい時間帯に合わせてシフトを組むなどの工夫により、残業時間を減らす取り組みをしている病院もあります。

【キャリア支援】

目標を見失うことで離職したり、多院へ転職したりする方が増えています。離職率を減らそうと、病院でキャリアアップ支援に積極的に取り組む病院も増えています。
通常研修といえば新人研修や、階級や課が変わる際に行う研修などがありますが、病院独自に確実にケアできる知識と技術力を高めるため、組織段階的にキャリアアッププランをデザインし、自信をもってケアすることができるだけでなくやりがいや生きがいを感じながら働くことができる職場づくりに取り組んでいる病院があります。
また、キャリアアップに積極的に取り組む看護師に対して、自治体から学習のための補助金を受けられるところもあります。

【夜勤軽減への取り組み】

「やはり、夜勤がつらい…」
そうした声を受け、日中の仕事を少し長めにすることにより、夜勤の時間短縮に取り組んだ病院がいます。夜勤の負担が減ったことで看護師から喜びの声が上がり、また、産休明けの看護師が夜勤をやりたいと申し出ることもあったようです。
看護師の仲間の声から制度を見直して少しずつ働きやすい環境にしていく。
推進委員会を立ち上げ、丁寧に意見を吸い上げ、思い切って活動した成果です。

★ ワークライフバランス 実践例
⇒ http://www.fukuoka-kango.or.jp/nursecenter/images/wlb_ws/houkoku.pdf

★ キャリアアップ支援制度 自治体例
⇒ http://www.pref.nara.jp/23179.htm

★ キャリアアップ支援 病院例
⇒ http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~nurse/careeradvancement.html